イプシロン-デルタ (数学ワンポイント双書 20)

大学1年生の解析の授業で、ε-δの話を十分理解しないままなんとか単位は取ったものの2年となり、更に複素解析などをやるようになる前に、一度ちゃんと理解したい方がいいと思い買って勉強した本です。
この話に関することだけで100頁位使ってあるので、説明は丁寧なので順を追って読んでいけば何をしているのかは理解できると思います。
始めは、ε-δの意味からはじまり、デデキントの実数の切断、sup,infの話、単調性、有界性、コーシー列、連続の定義、一様連続の定義と、続きます。一つ一つの展開は、高校数学で微分積分が終わっていれば、似たようなことはやっているので、式変形や導き出したいこと自体は理解できると思います。
私自身も、このε-δについては、やっている結論は分かるんだけれども、その持っていき方がかなり技巧的で、その結論が出たことにどんなご利益があるのかがよく分からず、何度もこの部分を読んでとりあえず丸ごと証明の流れを理解するようにしました。
どれだけ時間が経ってからかは分かりませんが、複素解析や、フーリエ解析などをやり数学屋さんではないですが、そこそこ応用数学として数学に馴染んできて体と思いますが、この部分でいいたかったことはきっとこういうことなんだろうなぁとおぼろげながらに分かるようになりました。
クリアカットに必然性が理解できるというところまでではないですが、これまで直感でやっていたことを厳密に論理に落として展開するとこうなるのだということは理解できました。
その後、紹介した通り、何冊も解析の本を読みましたが、書いてあることは基本的に同じで、書き方が自分尾趣味にあうかどうか以外は差がないので、これが解析学のスタンダードと思えるようになりました。
今でも、自分で完全にロジック展開できるかは分かりませんが、少なくとも一回はちゃんと理解できた気がしました。

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