東大出版の杉浦光夫氏の解析入門です。私のクラスではないですが、他のクラスでは指定の教科書となっていたところがあり、持っていた人も多かったです。分厚い本なのでこれを全部読んでいる人がいたのかは疑問で、大学時代は流してようやく単位をとった口なので、この本の存在自体は知りつつも、読んだことはありませんでした。
この本も、社会人になり、解析学の深い理解と、読み比べのために購入して読みました。自分の数学力?があがったせいなのかもしれませんが、この本は分厚いだけに説明がきめ細かく丁寧で、論理的な飛躍が少なく厳密な議論が展開されています。私があげたいくつかの本の中では一番丁寧な証明、説明をしていると思います。
ここまで書かなくてもだいたい分かるといえば分かるのですが、ちゃんとした理解をしないと気持ち悪い、というのであれば、一度両巻とも時間をかけて熟読すると良いと思います。教養時代で必要な微分方程式を除く項目はカバーされているので、分量は多いですが、着実な理解が深まると思います。
いったん体系が理解できるようになってしまうと、理科系の本は何でもそうですが何がポイントか、どこが重要かが自分で判断できるようになるのだと思いますが、大学1年の時にはそれを自分で見極めることができず、教科書が悪いのか、自分が勉強しないから悪いのか、分かりませんでしたが、今考えると日本の教科書が行間を読むことを求めすぎているのではないか、という気がしました。
一般に物理の本でもそうですが、英語で書かれている著名な教科書は比較的説明が丁寧でロジックが飛ぶことも少ないですが、日本語の本は、そこは当然分かるでしょ、ということの期待値が高く敷居が高いのかもしれません。
こうしたときにいい指導者がいれば良いのかもしれませんし、その辺りを噛み砕いて説明してくれる本などあるといいのですが、噛み砕いて説明というと、急にレベルが下がりすぎて単なる計算の方法の説明だったりして、その間を埋める良い本というのはなかなかなかったというのが実感でした。結局苦心しながら何度も時間を書けて本を読み進む、ということを何度も繰り返して数ヶ月経つと何となく分かるようになっていた、というのの積み重ねが数学の場合の経験です。
幸い物理の場合は、具体的なイメージがしやすく、意味が分からないということにならかなったためにその分野に進むことができたのだと思います。解析学も複素解析をやったあたりでいったんそれまでの知識が整理されて理解が深まったとも思うので、進んだトピックスをやってから戻るとレベルアップするのだと思います。
気がついてみると、視野が広がり高い視点からものを見ることができるようになるというのが、こうした勉強を続ける醍醐味、でしょうかね。
解析入門 (1)
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