複素解析


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複素解析で有名なアールフォルスの本です。学部で複素解析の授業があった際の参考図書であがっていましたので購入。
この本自体で留数計算などができるようになる訳ではありませんが、解析関数としての複素関数、コーシーの積分定理、留数定理、調和関数、解析接続など複素関数の分野での出てくる一通りのトピックスは網羅されています。楕円関数などの話題も出ていますが、その辺りはちゃんと読んでいません。
これまで2、3度読み返したことがありますが、数学の本としては丁寧に書かれていて分かりやすいと思います。1年生の解析学の時には意味がよくわからなかったイプシロンデルタの議論も、2年生の後半ともなると、概念と必要性にだんだん馴染んできて、読みやすく感じた記憶があります。ただ、この時にも、正則であることが数学的にどれだけ意味があることがいまいちピンと来なくて、まあ、特異点分かって留数計算できればいいや、と実利的応用面に走っていた気がします。仕事してふとコーシーの積分定理あたりの証明を一通り読み返してみて、理解が深まった気がします。
グリーン関数のところで留数計算するのが典型的な事例でしたが、それ以外にも解析接続と概念的には重要なものた多々あると思います。

1、2、3章までは解析学の複素数版の拡張で割と丁寧な説明なので普通に読めると思います。
4章の複素積分の部分と5章の級数展開と無限積展開がだいたい分かればいいやと思い、後段は解析接続の部分が分かれば良いのではないでしょうか。数学科専攻の人には怒られてしまうかもしれませんが。
実用的には計算ができないと困りますので、演習はどこかでする必要がありますね。

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