大学4年か、大学院時代に解析学の部分の理解が十分でないと思い、下巻から購入。私は、数学科の学生ではなかったので、厳密な数学的な証明よりは、物理として使えればいいや、という考え方が強かったので、大学1年時に始めにイプシロンデルタの厳密な論法をやられたときには、論理構成以前にその必要性が理解できませんでした。
単にとるだけなら計算の仕方だけ分かっていればいいや、と当時は考えており、友人の他大学の1、2年時の問題を見ても計算が主体だったので、世の中そういうものだと思ってました。また高校時代の数学の微積分でも入試レベルとなれば相当部分まで計算練習などやるので、それで大学でも通用するかと思っていました。
大学入学当初の当初の私は、電子工学を専攻しようと思っていたのであくまでツールとして物理、数学が分かっていればいいやというスタンスでしたので、「まあ、この辺、いい加減でも何とかなるや」という発想で教養時代の数学は、単位を取ることを念頭にクリアしてきたところで、その意味では不真面目な学生でした。
他方、物理で使う応用数学については、具体的に利用されるシーンがあるので、その意味と必要性が理解しやすいのですが、そうした中で道具として数学を使っていると、時々、こうした論理構成を知らないまま過ごしているのは、重大な欠陥があるのではないかと思うようになり、少なくともいわゆるスタンダードなレベルでの理解はしておかないといけないと思うようになり、勉強しました。
さすがに大学1、2年生というわけではないので、概念やフレームワークに慣れていることもあり理解は進みましたが、この下巻のテキストは、固い外観の中に時々軽妙な語り口での記載があり、著者の人格が偲ばれます。
2度ほど熟読しましたが、演習は別として、この本の書いてあることが理解できればこの分野を分かったことにしていいのではないでしょうか。解析学の本は、社会人になってから何冊か読み比べしましたが、この本は内容とレベルのバランス的にはよいと思っています。
目次です。
8 極限の概念
9 多変数関数の微分法
10 重積分
11 ベクトル解析概説
12 複素解析入門
13 フーリエ解析入門
14 本文の補充
上巻の方は、数年前にそろえる目的で購入しました。こちらはざっと一読した程度ですが、いわゆる普通の解析の授業で計算できるようになるために知らないといけない基本事項が書いてあるというものです。
とはいえ、ちまたの解析入門用の本と異なり、固い書き方がしてあるので、まずは簡単な本で計算を中心としてこの分野の勉強をしてから、次に読むのがよいかと思います。
目次です。
1 関数
2 微分法の計算
3 高階導関数・偏導関数
4 不定積分の計算
5 常微分方程式入門
6 定積分
7 級数・整級数
補章 本文の補充
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