一般相対論の超有名な本です。別名「電話帳」。その名の通り、1300頁近くある分厚い本です。大学院の時に先輩が持っており自分も読めるようになりたいと思っておりました。買ったのは大学院をやめて仕事をしているときで、物理と全く関係のない仕事をしているのですが、相対論の美しい世界を勉強したいと思い、何冊か相対論の本を買い、その中の一つがこの本です。社会人の資力に任せて当時はいろいろ本を買っていました。今見ると17000円位するようですが、私は$73.5で手に入れていました。
この本は大部だからといって必ず難解な本という訳ではなく、かなり丁寧に書かれており、日本の本よりは読みやすいと思います。また、中身がTrack1とTrack2にわけられており、初めて学習する時には全体をTrack1でざっと学習すればいいということで、頁の右上が塗り分けられています。Track1だけだと全体の分量の1/4位しかないのではないでしょうか。
Track2は、詳細な内容、外微分形式を駆使した高度な内容となっています。ノーテーションも統一されており、記述も丁寧です。Schwartzshild Geometryや重力波ついてもかなりの分量を割いて書かれているので、日本の教科書のあっさりした記述でよくわからない、という場合は百科事典的ではありますが、この本の該当部分を読むと丁寧な説明がされているのでかえって理解が深まるのではないでしょうか。
私も全部理解しているとはとても言いがたいのですが、一般相対論の基本事項のところについては内山先生の本を読んでこの本を1年くらいかけて少しずつ通読した記憶があります。既に30代になっていましたが、ノルマを決めて一応最後まで読み切りました。もう一度読めるかは疑問ですが、自分の物理の能力を錆び付かせないために相対論は時々振り返りたいと思っています。(今ならRelativity DeMystifiedをお勧めします。)
自分が理科系で良かったと思うのは、こうした内容を言葉だけでなくちゃんと数式として自分で理解できるという点にあります。それ自体は今や仕事とは全く関係なく、日常生活に置いてもあまり関係はありませんが、大きな意味で事前を貫く美しい法則について鑑賞する事ができるということが喜びなのかと。
この本は、日本語訳版も出ているようなので、そちらで勉強しても良いかもしれませんが、高いです。英語が難しい訳でもないし、論文は英語ですし、数式や現象の理解に時間が取られて英語自体に時間が取られる訳ではないので、英語の勉強もかねて原書で読む事をお勧めします。
私の部屋でも本棚に鎮座している迫力ある本の一つです。
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