長崎玄弥氏の英熟語版です。本書の特徴は、第一章の前置詞の使い方としてイラストで用法、ニュアンスを提示して、それで各前置詞の感覚を養うことにあります。
例えば、atでは、
1)地点
2)時点
3)抽象的な点
4)動点
でいくつもの事例があがっています。
例えば、2)だと点というイメージで
at night
at the middle of the month / in the middle of the month の違いが、月15日か、半ば頃の違いが
あるとか、極限では一点ということで at best が出てくることなど説明されています。
4)だと hit the ball / hit at the ball の違いとして、バットがボールに「当たった」という事実を述べているのか、バットをボールに「向かって振った(結果当たったのかは分からない)」ということなどが出てきて、この辺りの語感は小説読んだりするときの躍動感を味わうには重要かと思います。
第二章は、連想式で、例えば、「たくさん」の表現から、混雑をなどを含めた熟語が出てきます。
abound in / rich in / teem in /teem with / affluent in
be replete with / enough and spare / be crammed with / be jammed with / be packed with
be stuffed with
be crowed with / be congested with / be choked up with / swarm with
という感じです。
第三章は、look, get, takeなどの基本動詞の熟語が450という構成です。
この本も古くて大学入試向けというコンセプトで作られてはいますが、出てくる語彙、表現は大学入試を遥かに超えたレベルのものまで掲載されており、私も高校生時代に買って第1章の所の語感を勉強して後は単語、熟語を学校の教材や旺文社の英文法問題精講でドリルをやって入試レベルをクリアしましたが、今見てもpaperback読むにはとっても役立ちそうです。
最近は新しい本でこの本のコンセプトの一部を取り出した本がありますが、これを1975年時代に出しているのは改めて偉大だと思います。
英語学習ツールや情報が飛躍的に便利になっている一方で自分はまだまだこの行きまでいかないな、と改めて感じました。
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