現代の量子力学

有名なJ.J Sakuraiの量子力学のAdvanced Courseです。手元には上巻があります。下巻は以前図書館で借りて読んだ事がありますが、買わなくていいかと思い今に至ります。

量子力学については、大学2年後期から量子力学1の授業が始まり、阿部龍蔵先生の授業でした。3年時に量子力学2で散乱やHeisenberg形式、Spinなど、後期に量子力学3で第二量子化と進みましたが、このJJ Sakuraiは、3年時後期、4年時にSchiffのQuantum Mechanicsと合わせて読んだ記憶があります。

散乱理論や、近似法についてはSchiffで基礎を阿部先生の統計力学でグリーン関数を使ったCumulant展開を勉強した記憶があります。その後は、大学院でフェッター&ワレッカでこの辺りの取り扱いを詳しく勉強しました。

J.J.Sakuraiは、シュテルン・ゲルラッハの実験からHeisenberg表示、行列への扱いとつなげていき、プロパゲーター、経路積分へと誘導してくれます。さらさらと書いてある割に概念的に初学者に高度な事が書いてあるので、最初は読み進むのに苦労しますが、ある程度理解が進んでから読み直すと非常にエレガントな説明である事に気がつきます。

私の場合は、最初に割と泥臭い方法で勉強していたので、この取り扱いを勉強したときには新鮮でした。
他方、これを最初に勉強して分かるんでしょうか?やはりschrodingerの波動方程式から入った方が
分かりやすいのではないかと思います。

ただ、この本は量子力学に関するまさにAdvancedな視点を与えてくれる本なので、一旦基礎的な第二量子化まで勉強したら、場の理論を勉強するまでに通読するのが良いと思います。

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