岩波の物理テキストシリーズの「振動と波動」です。このテキストシリーズはコンパクトにまとまっており、初学者が始めからこれを勉強するには、一般的には大変かも知れません。この振動と波動の本は力学と微分方程式、線形代数が終わっていわれば、そんなに難しくはないかと思います。
始めに、単振動の運動方程式に減衰項や強制振動の例があり、微分方程式の特解などの扱い方の事例が出てきます。連成振動の部分では、振動のモードの話がでてきます。この辺りは、量子力学でも格子中の振動や調和振動子の話で出てきます。
次に波動方程式、フーリエ級数を使った波動方程式の解。弾性体におけるテンソル、電磁波の話、波の干渉、回折とおよそ物理の分野で波に関するものの一通りの扱いをしています。
量子力学の散乱などの部分を除けば、だいたい学部の物理で波が出てくる部分は網羅されているのではないでしょうか。
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