Lectures On Phase Transitions And The Renormalization Group (Frontiers in Physics)

主に物性の場における臨界現象について、Scaling則から始まり、相転移におけるpower lawなどを説明した上で、Ising modelを例にとりながら、分配関数を計算しつつ、相関関数や低温度展開、平均場理論などが説明されます。その後、Landau theoryの紹介もあります。
一通りの臨界現象を説明した後で、繰り込み群の考え方や方法について説明がなされ、Scaling theoryとどう結びついていくのか、についてつながっていきます。レベル的には、大学院の初年度位かと思いますが、統計力学、量子力学、固体物理学を一通りマスターしたら、特に難しい概念が出てくる訳でもないので読むことができるのではないかと思います。
相転移のマクロスコピックな事象と統計力学がどうつながっていて、それと繰り込み群の考え方の関係、臨界現象における繰り込み群とScaling theoryの関係、あたりが割と分かりやすく書いてあると思います。一種独特な考え方をするといえばするので、この考え方に馴染まないと気持ち悪い所はあるかもしれませんが、統計力学のAdvance版で特に相転移あたりでの事象についての理解が深まる本だと思います。ただ、この本自体で精緻な計算をしているわけではないので、あくまで雰囲気が分かるというものでしかないですが。
大学院では、実際に物性モデルを置いてコンピューターでシミュレーションをして、分配関数や、相関関数などを計算し、理論値との違いを検証していましたが、手を実際に動かしてみると意味がよくわかるところもあろうかと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました