久保亮五先生の統計力学です。私が持っているのは旧版ですが、活字の大きくなった新版がでていました。
大学3年の専門の時と大学院の院試用にこの本を読んで勉強しました。教養ではじめて熱力学・統計力学を勉強する時に読んだわけではないので何とも言えませんが、初学者が読むとつらいかもしれません。
内容が、コンパクトにまとまっており、量子力学、固体物理学を授業で同時並行的に勉強しながらという状態で読むと、統計力学の具体的応用がイメージできて広がりのある領域なのが分かります。
この本の中にも学部時代に知っておいた方がよい事例が出てきますので、私は主に院試の勉強のためにこの分野のレビュー用として読みましたが、頭の整理ができてよかったです。
気体の状態方程式、黒体輻射、固体の比熱、Fermi-Dirac統計、Bose-Einstein統計、半導体内の電子、強磁性体のIsingモデルなど一度は授業で出てきた話がコンパクトに整理されており、このあたりの話を一通り理解できるようになれば学部レベルの統計力学はマスターしたということになるのではないでしょうか。
目次は以下です。
第1章 統計力学のはじめに
第2章 統計力学の基本的な考え方
第3章 統計力学の基本的な応用例
第4章 平衡条件と巨視的状態量
第5章 熱力学の基本法則
第6章 統計力学の応用
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