理論電磁気学(砂川 重信)

 有名な砂川の理論電磁気学です。専門課程に入って電磁気学1、電磁気学2の授業が会った際に自習用のテキストとして購入しました。手元には第2版があります。電磁気学の中では私の一番好きな本です。
 この本は、E(x,t),B(x,t)と場の変数が書いてあるため、式が煩雑に見えますが、式の導出や変形が丁寧に書いてあり、また頁のボリュームも結構あるので詳しく書いてあり、見た目よりは理解しやすいと思います。
 現象論的なところからMaxwellの方程式のところまでは、始めの1章でさらっと出てきてしまうので、初めて電磁気学を勉強する人が読む本ではなく、いったん教養課程の部分については他の本で勉強してMaxwellの方程式に慣れてから、更に進んだ内容についてこの本で勉強するというイメージになると思います。
 
 Maxwellの応力テンソル、静電場の多重極展開、境界値問題、電磁波の屈折、散乱、遅延ポテンシャル、先進ポテンシャル、特殊相対論、4元形式と、数々のトピックについて丁寧に触れています。
 目次は以下の通りです。
第1章 真空電磁場の基本法則
第2章 Maxwellの方程式の一般的性質
第3章 静止物体中のMaxwellの方程式
第4章 静電場
第5章 定常電流
第6章 静磁場
第7章 準定常電流
第8章 電磁波
第9章 電磁波の放射
第10章 運動物体の電磁気学―特殊相対論へのあゆみ
第11章 特殊相対論
第12章 電磁場と変分原理

 一回は各章毎に熟読することをお勧めします。私の場合、特殊相対論はいわゆるプルーバックスレベルでは何となく知っていましたが、相対論の本ではなく、この理論電磁気学の第11章と第12章を読んで勉強、理解しました。
 数学的にも、複素関数、ベクトル解析、グリーン関数、特殊関数、フーリエ級数と学部時代で出てくる要素がまとまってこの電磁気学の中ででてきますので、歯ごたえがあるかと思いますが、この内容が自分で理解できたということになれば、自信をもってよいと思います。
 

コメント

タイトルとURLをコピーしました