力学 (ランダウリフシッツ)

大学の専門である程度量子力学でハミルトニアンの扱いに慣れた頃に読みました。初学者向きではありません。ラクランジアンや正準形式を知らないでいきなりこの本を読むと分からないかと思います。一通り力学、解析力学、電磁気学、量子力学、統計力学を終えて読むと、理路整然と説明が展開されていきますのでよい整理になると思います。
 内容としては、先に紹介した「力学15講」の項目が更にsophisticatedされたイメージです。
 たとえば、中心力の場における運動や、ラザフォードの公式、振動における共鳴や、多くの自由度を持つ系の振動、正準形式におけるポアソン括弧や正準変換など、専門課程で一度は見る見るような内容が網羅されているので、自分の理解の整理と力学をどの程度知っていればよいのかを知るにはよいと思います。

<2021年追記>
力学の本は大学院レベルだとGoldsteinがありますが、こちらは簡潔に書かれすぎていて美しいのですが、ある程度紙面を割いていろいろ見せてくれているわけではないので、わかった気になって終わる可能性もありますので、Goldsteinか一般力学も併読することをお勧めします。 

コメント